2019-04-02

やまない雨はない

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やまない雨はない
倉嶋厚
530円(税別)
文春文庫

著者は気象庁を定年退職後、NHKで気象キャスターを務め、2017年に93歳で亡くなっている。ドラマにもなった有名な本らしい。
家のことはすべて任せ精神的にも強く依存していた奥さんが肝臓のガンで余命いくばくもないと知り、狼狽しうつ病を発症する。入院した奥さんを見舞いに行くものの、奥さんの心配よりも自分の不安を訴えたり、面会時間を守ることに気が行ったり、断り切れなかったからと言って仕事に出掛けたり、(個室だし)旦那さんも泊まれるんですよと看護師に言われてもその意味を理解しなかったりしたことを後悔する。その自責の念でうつ病をさらに悪化させる。不器用を自称しているが、本の内容も赤裸々でそこまで書かなくてもと思うが、それも不器用なればこそなのかもしれない。幸い奥さん亡き後、良い家政婦さんが見つかり味覚を失くすほどだったうつ病も入院して治ったそうだが、人間の悲哀を感じる本である。

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